硬球ボールをヘディングするというシュールな映像。野球ファン以外でも、一度は目にしたことがあるであろう宇野勝のヘディングは、30年という月日がたった今でもプロ野球史上最高の珍プレーとして語り継がれている。長年にわたりドラゴンズの主軸を務めながら、どこか頼りなく、しかし意外性のあるプレーでファンを魅了し続けた背番号「7」。真剣勝負の世界に“笑い”というコンテンツを定着させたパイオニアは、間違いなくこの男だ。 宇野は84年5月5日の大洋ホエールズ戦でも、インパクト絶大の珍プレーをやっている。この試合の3回、満塁のチャンスで打席に入ったのだが、自身が放った打球を目で追うあまり、外野手の打球処理を見守っていた1塁走者に見向きもせず2塁へ突進。その後、外野手が落球し走者が次々とホームへ還ってくるも、宇野が走者を追い越した時点でアウトが成立したため、大量得点の機会を逸した。さらに82年には、ユニフォームを忘れコーチの背番号を背負ってプレー。これ以外にも、現役時代はユーモア溢れる言動も含め、珍プレーの常連として認知されると同時に、愛嬌のあるキャラクターで野球ファンから広く愛された。